2012年01月12日

Roberto Faenza, The Soul Keeper (2002)

A Dangerous Methodを見て、これは完璧な失敗作だと思ったし、ユングとサビーナの描かれ方にしても不満が残ったので、同じ題材の違う映画を見てみることにした。というか、ぼくの知る限りでは劇映画としては他にこれしかない。

これは良作だった。というか、ワンシーン毎にA Dangerous Methodがいかに駄作だったかっていうのが浮き彫りになっていった。二人の関係についても、こっちのほうがもっと魅力的に描かれているし、なにより、もっと情熱的だ。それに、この映画には、クローネンバーグ版にあったような、フロイトやユングを描く側が価値判断してやろうというような変な気負いがない。

とくに構成が良くて、現代に生きるある女子学生がモスクワまで行ってサビーナの人生を調べる、という設定がある。これが案外良い。というか、後になってきいてくる。というのも、サビーナという人はほとんど忘れ去られえてしまっていた人で、この映画を観る、ということは彼女についての記憶を私たちが共有する、という作業でもあるからだ。

サビーナはユングと決別したあと、ロシアに帰り、幼稚園を経営するのだけど、そこに当時いた、という人が証言する場面がある。これが感動的で、サビーナという人がいかに特別な人だったか、というのがよく分かるようになっている。この映画ではユングが主役なのではなくて、サビーナが主役だ。

サビーナ役の女優さん、 Emilia Foxはほんとに可愛くて魅力的で、これはユングじゃなくても手を出すだろうなって感じ。この女優さんを見るだけでも価値がある。

posted by 映画狂人百歩手前 at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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