2008年07月19日

Francis Ford Coppola, One from the heart(ワン・フロム・ザ・ハート), 1982

不思議なことに、未だにこの映画は批評的には酷評されているみたいだね。まあ少なくともフランスのあるシネマテックはこれを過去の名作の一つ扱いしたラインナップにいれているんだけど。アクターズ・スタジオインタビューのときにも、コッポラはこれを気に入っているみたいな感じで語っていたような気がするなあ。そんとき、彼が自分で気に入っている作品と、そうでない作品と、批評家の評価がずれまくっている、みたいな不幸な経歴をもっていると自分で思っているような少し複雑な印象をコッポラに見たのは、そのせいだったのか、と納得しないでもない。まあ、批評家ってのは馬鹿だよね。

allmovie.comの評価を読むと、作りすぎているとか、主演の彼がぜんぜん合ってないみたいなことを書いているのだけれど、そのへんが良いところなのであって、やっぱりまったく分かってない感じ。空が本物なのか偽物なのかわかんないところも、ラスベガスっぽくっていいところなんだけどなあ。そもそも、ラスベガスって夢を題材にした街で、夢のない二人が一晩夢をみるって話で、現実感がないのは当たり前で、現実感のなさ、みたなものこそが一つのテーマだと思うんだけど、どうよ? これ、複雑な作りだと思うんだけどなあ。そして、ラスベガスという街を舞台に、こんな冴えない二人を持ち出してくるあたり、センスいいと思うんですが。少なくとも、現実感ってのがここでは少し複雑なことになっているということ、そのことくらいは最低限理解しておいてから批評してほしい。まあ映画批評家なんてほとんど馬鹿だからしょうがないとは思うんですが。なんというか、このさえない男が、最後に搭乗口でyou are my sunshineなんて歌うからいいと思うんだけどなあ。うーん。

そして、思うに、コッポラは映画マニアすぎなんだよね。これも過去のミュージカルへの独自のオマージュがこもりすぎみたいなところがある。ただそれがちょっと想像力にあふれ過ぎなんだろうね、普通の人にとっては。でもこの無駄にゴージャスな感じ、好きだなあ。Nastassja Kinskiのシーンなんかすごいよい。ちなみに、撮影はストラーロだよ。

それと、これ、トム・ウェイツ音楽なんだね。タイトル始まるまで知らなかった。しかも、彼自身歌っているし。少し彼っぽくないアレンジかもしらんが、確かに、ウェイツの才能ってのはこういう音楽を作るのに最適だ。あ、こういう使い方があったのか、と驚かされたなあ。そういうところも、コッポラはセンスがいい、というか、よく知っているなあという感じ。

ちなみに、これ見ていたとなりのおじさんはぼろぼろ泣いていましたよ、最後。恋人と別れた経験があるとかいう人におすすめですね。それと、4th of julyって、フランスでも似たようなのがあるけど、あれって花火大会の日くらいのもんだと思っていたけど、アメリカ人とかにとってその日がどういう風に特別なのかちょっと分かった気がした。まあどこか間違っているような気もするのだが……



posted by 映画狂人百歩手前 at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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