2008年07月26日

Clint Eastwood, Pale Rider(ペイルライダー), 1985, 116min

イーストウッドの作品なら外れがないだろうと思って、「西部劇」のカテゴリーから一本選ぶと、やはりアタリだった。80年代に完璧な西部劇を再現してしまったということにだけでもびっくり。採掘現場とか、テレグラムとか、銃とか、服とか、電車までもそれっぽい。イーストウッドも超かっこいい。これはすごい。ちらちらたき火の光が男たちの顔を照らす美しい夜の談合のシーンでは、開拓者たちの生き様というものを見事に語ってくれる「アメリカ講座」にもなっている。感歎感歎。

イーストウッド監督の腕が恐ろしいほど冴えているのは、冒頭の襲撃シーンから分かる。駆け回る人々、引き倒されるテント、牛までも演技する。黒澤なんかとは雲泥の差がある。でも一番感心したのは、英語の見事さ。牧師であるイーストウッドが敵からの買収を断るときの

Can't serve God and mammon both.
Mammon being money.

というセリフ。簡潔だなあ。ほかにも、サラに吐く

It's an old score and it's time to settle it.

とか、痺れます。scoreとか、こういう使われ方をするのは中型辞書に載っていない。そういう、古い英語がけっこう出てくるような気がする。tin pan っていうのはminerのことだろうけど、これもLDCEには載ってなかった。ほかにも、much obliged(=thank you)とか。古い英語だけじゃなくて、この映画のセリフはほんとに魅力的で、英語という言葉にあこがれてしまいそうだ。イーストウッドが最後'Long walk'とだけ言って去っていくのもかっこいい。英語って簡潔な言語だなあ。日本語じゃあどうしったってこうはなんないもの。

「イーストウッドが強すぎる」という意見もあるようだけれど、そうは思わない。最後の闘いの一連のシークエンスでは、リーズナブルな強さ、というか、頭脳戦を見せてくれる。西部劇でこういうの、いいよなあ。靴についている金具(あれ、西部劇の男たちがつけているものだけど、具体的にどう使うものなんだろう? 馬関係だとは思うんだけど……)がシャンシャンというのも、効果音になっていて気持ちいい。とにかく演出が見事だよなあ。



posted by 映画狂人百歩手前 at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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