2008年08月18日

Rob Cohen, The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor(ハムナプトラ3), 2008

えーと……、何から話すべきなのか。。。 いっぱい言いたいことがありすぎて…。そうだ、前作、というか第一部しか見てないんだけど、のヒロインのRachel Weiszが出てないってことだよね。まずここからいこう。彼女、いい役を与えられていたとはいえ、とても存在感があって、『アフリカの女王』のキャサリン・ヘップバーンに匹敵していたといっても決して過言ではないと申せましょう。だから、彼女がアカデミー賞を取ったと聞いても、ぜんぜん驚きません。だって、彼女がいないとこのシリーズは成り立たない、それくらいすごかったもんね。彼女が出ているおかげで映画がひきしまってた。で、彼女が偉くなってこんなB級シリーズだからか、あるいは誰かと関係が悪いかで出ない、これは大問題なわけです。そこでこの問題をどう解くか。そうだ、ぜんぜん違う映画にしちゃえ!

えー、そこで出てきましたるが、ハリウッド裏の(ってほどでもないが)大物ロブ・コーエンでございます。立派なベテランだというのに、「じつは僕にアイデアがあるんだ」などと目をきらきらさせて経営者たちに語っていたに違いません。彼は実は監督第一作が『ドラゴン ブルース・リー物語』であったというほど、大の香港映画好き。そこで、舞台を中国にして(邦題は『ハムナプトラ』なのに…)、監督のやりたいことなんでもやることにしました。はい、こうして、シリーズ三作目だというのに、「これは儲かるシリーズなんだから適当なもの作っとけ」みたいな日本人がしそうな発想で作ったのではない、とっても奇妙な、ある意味野心的な映画が出来上がりました。つうか、アンソニー・ウォンさんあんた何やってるの?、などとつっこみどころ満載のカルト映画になったというか。だってこれ、確かに子供も楽しめるけど、明らかにオタク向けだろ。

だってさあ、冒頭のいかにも『ヒーロー』あたりから始まった古代中国を舞台にした見事なアクションとか軍隊とかを見ると、あ、これは何をやってくれるんだろ、と期待が高まるじゃあないですか。それから50年代くらいの新節祭中の上海を舞台に馬の戦車とカーアクションが繰り広げられるにいたっては、なんじゃこりゃあ、状態ですよ。花火に戦車に上海だよ、こんなの誰も組み合わせたことがないイメージだと思う。画期的だと申してもよいでしょう。俳優陣も、Rachel Weiszの代わりに入ったMaria Belloがいかにも嫌らしいスノッブなイギリス人を演じてしまっているとはいえ、Isabella Leungがなんともみずみずしい魅力を放っているし、ウォンさんは変な役で出ているし、最後にはジェット・リーまで出てくる。

さて、上海の後は、雪山が舞台で、イエティなんかも出てきて、まるで怪物もの。のちに三頭のドラゴンもでてきちゃうのよ。しっかりなだれとかも起きるし、マミーは氷関係の魔法的な力を出すわで、なんかまるでゲーム世界のような感じ。んでも、銃撃戦なんかやってても緊張感が失われない。それで最後は、兵馬俑の戦士たちが現代によみがえって、『ロード・オブ・ザ・リングス』みたいな戦争シーンになっちゃう。でも、兵馬俑を映画に使うっていうのはなんだか今まで見たことがなかったと思う。冒頭でも出てきたけど、兵馬俑っぽいの感心したなあ。あれ、まさか借りるわけにもいかないだろうから、CGで取り込んで一体一体再現したのかな。あれが発見されたときのような形で並んでいて武器ももってうつっているシーンには、この監督の中国への愛を感じましたよ。金文っぽいのもちゃんと作ってあったし。あ、これは監督マニアだわ、古代中国マニア。ああ、同じ人種だ…

そんで、誰もが感じることだと思うけど、各シーンはいろんな映画のごった混ぜなんだよね。でも、古代な感じのミイラ同士の戦争で、飛行機が活躍して、それを皇帝マミーが変身してやっつけるっていうのは、かなりいろいろ混ぜ合わせている感じ。これは、けっこう独創的といえないこともないと思います。そんで、主人公たちも、基本は銃なんだけど、弾がなくなって剣をもつシーンなんかでは、今までのシリーズの基本路線と、この映画のカンフー/武侠趣味とがどう折り合いをつけるのだろうかっていう期待にちょっとわくわくする。うーん、こんなにオタクっぽい楽しみ方をしちゃう映画ってのも珍しい。てゆうか、一つ一つのネタの料理の仕方に反応してしまう自分が恨めしい。ああ…

だめだ、あんまり語っていると正体がばれちゃう。でも、いろんなエポックメイキングだった大作を見てると、この映画がそれらに投げかけているオマージュににやにやせずにはいられないってのが人の子ってもんだと思うのね(弓が大量に降ってくるシーンとかさ、で、それが全然ダメージにならないミイラに大受け…おっと)。逆に言えば、それら大作映画が、どういったシーンとかイメージを作り出したことにおいてエポックメイキングだったか、ということが良くわかる。「大作映画におけるパスティッシュのあり方」などという研究をするときには引っ張りだこ間違いなしの映画です。まあ、やんないけどね。





posted by 映画狂人百歩手前 at 07:03| Comment(1) | TrackBack(3) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by magazinn55 at 2008年08月19日 06:53
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