2009年02月10日

Steven Soderbergh, Che, 2008

ゲバラの写真はアメリカ帝国主義にみんなが嫌けがさしている今、反アメリカ、反資本主義のシンボルとして広く流布している。その今、あえてその英雄像をくつがえすための映画が作られた。しかもアメリカで。きっともともとの意図としてはゲバラをネタに映画を作れば売れるだろう、という英雄像にのっかった企画だったに違いない。ところがソダーバーグはここでとても常識的な批判精神を働かせて、一人の人間ゲバラを描いた映画を作った。まあ、題材がそもそも一人の実在した人間なので、それほど面白い映画になるわけはないのだけれど、監督はやりたいことをやりぬいてる、という感じはする。

第一部のほうは、いろんな映像がいりまじって提示されて飽きが来ないし、ゲリラ戦の描き方もなかなか面白いし、最後には長い戦闘シーンがあってもりあがる。ところが第二部になると、延々と続くゲリア戦だけが舞台で、かなり頑張ってみないと最後まで見れないと思う。ただ、どちらもゲバラがすごい人物だってことは観客には伝わってこないようにできている。実際のところ、戦場なんてそんなもんだと思う。そして、わざわざボリヴィアで死んだゲバラの行動からは、過剰な理想主義者で現実との折り合いがつきにくい人物という感じがする。この映画がゲバラの脱神話化ということをもくろんでいるのは間違いない。そして、この映画は英雄の一生を知りに映画館にいった観客の期待を裏切ったわけだ。それは痛快とも言えるし、自分の批判精神に馬鹿正直という気もする。


ラベル:Steven Soderbergh
posted by 映画狂人百歩手前 at 19:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2009-02-21 23:23
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