2011年09月27日

Valérie Donzelli, La guerre est déclarée, 2011

子供が脳にがんを持ったことが分かった夫婦の話。というと簡単だけど、話は出会ったところからはじまって、子供ががんと分かる過程、手術、そして手術後の転移予防のための治療の過程、その間の夫婦の生活、二人の関係なんかが、細かく語られる。これは今年最高のフランス映画の一つなんだけど、予告編でそれが伝わるだろうか。



なにがいいって、まず二人の心境がダイレクトに伝わってくる。いや、伝わってくるというよりかは、体験を共有させられる。子供の病気への不安、真実が分かったときの恐怖、それでも頼れる相手がいることの安心感などなど、二人が味わう心情をそのまま体験させられる。これはきついけれど、すごい

そして、演出も気が利いていて、ときにはユーモラスだったり、ホラーだったり、ホームドラマだったり、いろんな要素がある。頻繁に、音楽を全面にならして、会話がかき消される、というような演出がされるけれど、これも下手すればくさくなるけれどまあ許せる範囲でいい効果をあげている。曲の選び方はうまくて、これのサントラがほしくなるくらい。



じつはこの話、実話らしい。それも監督本人と、その元夫の話らしい。そして、その二人がそれぞれの役を演じている。なんともつらい生の体験を、こうして昇華して、一つの作品に仕上げるってのはまあ大変な作業だったと思う。その勇気もすごいし、できあがった作品もすごい。今年一番のフランス映画、というより、ここ数年で一番強烈な映画の一つだ。
posted by 映画狂人百歩手前 at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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